胃腸 胃 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 腸 大腸がん

胃腸 胃 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 腸 大腸がん:1万人の健康大事典

胃腸

<胃腸病の症状>

日本人に多い胃腸の病気は、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、腸がんなどがあります。以下のような症状が出たら、胃腸の病気を疑ってみる必要があります。

  • 食欲不振が続く…3日以上続いたら、病院での検査をおすすめします。
  • 胃のもたれが続く…食後のもたれ、さらに空腹時にもたれを感じる場合は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の疑いがあります。
  • 吐き気がある…もし吐いたら、その後にすっきりしていればあまり心配ありません。しかし吐いた後も気持ちが悪い場合は、炎症、潰瘍、がん、虫垂炎などの疑いがあります。
  • おなら…悪臭を伴うおならが頻繁に出る場合は、腸炎、大腸アトニーなどの疑いがあります。

胃腸の病気の種類には以下のものがあります。

  • 胃炎
    胃炎は急性胃炎と慢性胃炎に分けることができます。
    急性胃炎はストレス、暴飲暴食、コーヒーなどの刺激で胃の粘膜が傷付いてしまう症状です。基本的には一時的な現象で、数日で傷は修復されます。胃が重くなったり、みぞおちが痛んだりすることから始まり、吐き気や下痢を伴うこともあります。ひどくなると激しい胃の痛みが出てきたり、嘔吐や吐血を起こすこともあります。
    慢性胃炎は急性胃炎のような強い症状はないのですが、何年にも渡ってゆっくり進行していきます。空腹時に腹部が苦しい、胸焼けやげっぷなどが出るという症状があります。食事をするといったんおさまりますが、1〜2時間後にまた症状が現れます。またカレーや珈琲、お酒などの刺激物をとると、すぐに症状が現れます。
  • 胃潰瘍
    胃潰瘍は、胃壁がえぐられる病気です。重症になると胃にぽっかり穴が開いてしまいます。基本的な症状は、空腹になると痛みやもたれを感じる、何か食べるとすぐになおり、しばらくするとまた痛み出す、というものです。進行すると嘔吐、吐血することもあります。また、胃潰瘍を持っていて突然の激痛が起きたら、胃に穴が開く穿孔症潰瘍のおそれがあります。激しい腹痛が起こって、時間とともに強くなり、呼吸困難におちいります。この場合には一刻も早く手術が必要です。
  • 十二指腸潰瘍
    十二指腸潰瘍も胃潰瘍と同様に十二指腸の粘膜がえぐられて起こる病気です。症状も胃潰瘍とほぼ同じです。
  • 胃がん
    胃がん、腸がんは日本人の3大がんの1つです。胃がんがやっかいなのは、自分で症状を自覚しづらいことです。他の胃腸病と同じような症状なので、きちんと検査をしないと発見が遅くなってしまいます。胃がんは早期発見が治療の鍵です。
    胃がんの症状としては、腹痛、胃のもたれがあります。また、貧血、体重減少、むくみなどの症状が長期間続くのが特徴です。特に貧血は胃がんの約6割に見られる症状なので、胃がん発見の重要なシグナルです。
  • 腸がん
    腸がんの中で最も多いのが、直腸がんです。直腸がんは、早期に発見しやすく、治療実績もすぐれています。直腸は肛門から10センチぐらい上にある腸です。最初はがんは小さないぼ状なので、ほとんど気づきません。しかし進行してくると、肛門からの出血が起こります。直腸がんの検査は簡単におこなえるので、疑いが出たら、恥ずかしがらずに検診してみましょう。

<胃腸病の原因>

これまで胃腸病の原因は、ストレスや胃酸、暴飲暴食とされてきました。確かにそれが原因の場合もあります。しかし、最近の研究の結果、胃の中にピロリ菌という細菌が住んでいて、これが胃炎や潰瘍の主な原因だということがわかったのです。

ピロリ菌はまだ発見されてから20年ちょっとしかたっておらず、まだすべてが解明されたわけではありません。しかし、これまでの調査の結果、潰瘍の9割にピロリ菌が関係していることがわかっています。その証拠に、ピロリ菌を完全に除菌すると、ほとんど潰瘍は再発しません。

また、数日間でなおる急性胃炎はストレスや暴飲暴食などの原因が多いのですが、慢性胃炎の原因はほぼピロリ菌であると断定されています。

ピロリ菌は、芋虫のような形に数本のしっぽがついています。人はピロリ菌にほぼ幼児期に感染します。年齢が上になるほど感染率が高く、なんと日本人のほぼ半分、6000万人が感染していると言われています。

感染すると、ほぼ100%が慢性胃炎になります。そこから潰瘍になるのはごく一部、2〜3%で、さらに胃がんになるのが約0.5%です。

急性胃炎は、ピロリ菌も原因となりますが、その他にストレス、暴飲暴食、薬、タバコ、酒、コーヒー、香辛料などが原因でも起こります。しかし慢性胃炎はピロリ菌でしか起こりません。

<胃腸病への対策>

胃腸病への対策としては、大きく2つあります。胃腸病の原因であるピロリ菌の除菌と、生活習慣の改善です。

2000年からピロリ菌の治療が本格的に始まり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍と診断された場合、ピロリ菌の除菌治療に保険が適用されることになりました。潰瘍と診断されれば、今ならある程度簡単にピロリ菌の除菌を受けられます。

治療といっても、抗生物質と潰瘍の薬をいくつか組み合わせて2週間飲みつづけるだけです。それで完全に除菌できれば、治療は完了、ほぼ再発することもありません。

ただし、問題はピロリ菌が薬に対して耐性を持っているケースがあることです。抗生物質などの薬を飲んでも、生き残ってしまうピロリ菌が存在します。除菌の成功率は約7割です。一度除菌されれば、また感染する確率はほとんどありません。しかし今のところ、除菌に失敗したら、それ以外の方法は確立されていません。

また、生活習慣の改善も胃炎や潰瘍の促進を防ぐ効果があります。具体的には

  • 暴飲暴食をしない
  • よく睡眠をとる
  • タバコ、お酒を控える
  • 適度に運動をする
  • ストレスをためない
  • 栄養バランスの良い食事を、よく噛んで食べる
  • 刺激のある食べ物を避ける

といったことで胃腸病の進行を防ぐ効果があります。


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